Cの条件をおさらい
CANSLIMの「C」は Current Quarterly Earnings、つまり直近四半期のEPSを指します。
ウィリアム・オニールが数十年分の株価データを分析した結果、大化け銘柄の多くは急騰前の数四半期に渡って大幅な増益を記録していたことが明らかになっています。「C」はその出発点となる、最も基本的なチェック項目です。
具体的なチェックポイント
前年同期比25%以上の増加
単なる増益ではなく、前年の同じ四半期と比較して25%以上の伸びが基準です。
「前年同期比」にこだわる理由は、季節変動を排除するためです。小売業や観光業など季節性の強い業種では、前四半期との比較では正しく評価できません。同じ時期と比べることで、事業そのものの成長が見えてきます。
なお、25%という数字は最低ラインです。強い銘柄では50%・100%以上の成長を示すケースも多く、数字が高いほど注目度が上がります。
売上も伸びているか
EPSだけでなく売上(Revenue)も25%以上伸びていることが理想的です。コスト削減だけの増益は持続しません。
たとえば、人員削減や設備費の圧縮でEPSが増えたとしても、売上が伸びていなければその利益は「絞り出した数字」に過ぎません。本物の成長企業は、売上とEPSが同時に拡大しています。売上の伸びは事業の実態を反映する最も正直な指標のひとつです。
加速しているか
EPS成長率が四半期ごとに加速していること(例: 20% → 30% → 45%)が、最も強いシグナルです。
成長率の「水準」だけでなく「方向性」も重要です。25%成長が3四半期続くよりも、15% → 25% → 40%と加速している銘柄のほうが、市場参加者の注目を集めやすく、株価の爆発力が高い傾向にあります。オニールはこの加速を特に重視しており、逆に成長率が鈍化しはじめたら要注意のサインと捉えていました。
日本株での確認方法
- 決算短信でEPSを確認 上場企業は四半期ごとに決算短信を開示しています。1株当たり当期純利益(EPS)の欄を確認しましょう。TDnetやIR Bankで過去の短信を遡ることができます。
- 四半期ごとの推移をチェック 単体の数字ではなく、複数四半期にわたる推移を見ることが大切です。マネックス証券の「銘柄スカウター」では四半期EPSの推移がグラフで確認でき、加速・減速のトレンドが視覚的に把握しやすくなっています。
- コンセンサス予想との比較 市場予想(コンセンサス)を上回る決算(サプライズ)は、株価の急騰トリガーになりやすいです。予想比でどれだけ上振れたかも合わせて確認しましょう。
よくある間違い
- 通期予想だけ見て四半期を無視する 年間の業績予想ばかり追いがちですが、CANSLIMで重要なのは四半期単位の動きです。通期が良くても直近四半期が失速していれば要注意です。
- 特別利益による一時的な増益を成長と混同する 資産売却や保険金受取など、本業と無関係の特別利益でEPSが膨らんでいるケースがあります。経常利益・営業利益ベースでも同様の伸びがあるか必ず確認しましょう。
- 季節性のある業種で単純比較してしまう 前述の通り、季節変動の大きい業種では前四半期比の比較は意味をなしません。必ず前年同期との比較で評価する習慣をつけましょう。
まとめ
「C」は最も基本的かつ重要な要素です。決算シーズンには必ずチェックしましょう。
ただし、「C」はあくまでCANSLIMの7要素のうちのひとつです。EPSの成長だけが優れていても、需給環境(S・L・I・M)が整っていなければ株価は動きません。「C」を入口として、残りの要素も同時に確認する習慣を身につけることが、CANSLIMを実践で使いこなす第一歩になります。